前回の続きです。
余裕を確保した上で、具体的なやりたい事の見つけ方をお送りします。
結論から言うと、「暇を持て余してみる事」が鍵なんじゃないかと思います。
<暇な時間がなんで苦痛と感じてしまうのか>
お金、時間、エネルギーの余裕が出てくると、当然ですが人間暇になります。最初の内は趣味)私の場合はテニス、ゲーム、漫画など)で楽しく暇を埋められたのですが、ある時から「こんな過ごし方で良いのか?」と疑問が湧き始め、暇である事が苦痛になってきました。
今振り返ると、その時やっていた事が『心からやりたいと思える事』ではなかったから苦痛を感じていたのではないかと思います。もしも余暇が手に入ってからずっと楽しく日々を過ごせている人がいれば、それはもう自分の『心からやりたいと思える事』を既に見つけている状態で、あとは前編で述べたお金、時間、エネルギーの余裕を確保し続けさえすれば充実した人生を送れそうです。しかし、そういった人は少数派なのではないでしょうか。
<自分と深く向き合ってみる>
自分の中の『心からやりたいと思える事』が何なのかを探し出すヒントは、ほとんどの人にとって過去の体験にあると思います。自分が今までどういう瞬間に嬉しいと感じたのか、どういう行動にやりがいを感じたのか、誰に一番憧れていたのか、そういった地道な自己分析を通して一つ一つピースを拾い集めて『自分の価値観』を作り上げていく。根本的には就活生がよくやる自己分析と同じのなのですが、それをより深く、「良い会社員生活を送るため」という目的ではなく、「良い人生を送るため」に。
多分、この作業はあまり簡単なものではなく、時間が掛けた方が良い気がします。休日などのまとまった時間を確保した方がいいでしょう。家にいると気が散ってしまうのであれば、携帯を封印してどこか静かな場所に行ったりするのも良いかもしれません。中には電波の届かない山奥の旅館に数日間泊まって自己分析した人もいるそうです。
<筆者の場合>
私は現在カフェ開業に向けてコツコツ準備を進めているところなのですが、ここに行き着くきっかけは最も憧れた人でした。私が通っていた大学の近くに小さな個人経営の居酒屋があるのですが、ここの店主(通称:わかさん)がその人にあたります。
そこのお店はほぼ毎日満席です。料理も美味しくて価格が大学生のお財布にも優しいのもありますが、何よりわかさんの人柄、そしてわかさんを中心とした店全体の優しい雰囲気に惹かれてみんな足を運んでいたように思います。私も通っていた当時、「自分もいつかここみたいな店を開きたい」と漠然と思っていました。その頃は定年退職後にできたらいいなくらいの気持ちだったと記憶してます。
しかし、前述のように改めて自分の価値観と向き合い、過去の体験を掘り下げ、価値観を形作る体験を集めていった中で、自分の中で一番輝いていたのはわかさんへの小さな憧れでした。
そこからの流れはかなりスムーズで、まずは飲食業界の実情と飲食店を開くには何が必要なのか勉強し始めました。そこでまず知ったのが飲食店の廃業率が一般的に1年以内で30%、10年以内で90%ととても高い事、そして初期費用の相場はおよそ1000万円という事。業界の厳しさに驚くと同時に、意外と初期費用だけならもう賄える事を知りました(当時の記事『』)。
そこで自分の中で一つの可能性が生まれました。あの頃は老後のセカンドライフで実現できたらと思っていたが、今から準備を進めれば一番働き盛りの30代で開業できるのではないかというものです。資金だけならもうある程度あったので、後は調理技術、経営ノウハウ、物件があれば開業できる。そういった単純な発想から社会人向けの料理学校を見つけ、転職することによって通学圏内に引越し、2024年3月に卒業して今に至ります。